アンフェタミンのまめちしき
覚せい剤であるため、日本では、医療用として使用されません。
覚せい剤取締法により規制されているため、一般人の覚せい剤の所持はもちろん禁止です。
さらに、覚せい剤は、輸出、輸入、製造も禁止されています。
今回は、日本で使用が禁止されている、覚せい剤のアンフェタミンに関するまめちしきをご紹介いたします。
間接型アドレナリン作動作用。
耐性、精神的依存が生じやすく、薬物乱用に繋がっていきます。
神経終末に働き、ノルアドレナリンの遊離を促進させ、交感神経を興奮させる。
チラミン、メタンフェタミンと同様。
日本では、メタンフェタミンと共に覚せい剤取締法により規制されているため医療用としての使用はできません。
しかしながら、アメリカなどの一部の国ではADHDやナルコレプシーの治療薬として利用されるそうです。
アゴチン(アンフェタミン)も疲れを取り去り、
不眠不休で働けるような効果をもたらす医薬品として一般的に流通していたようです。
参照:http://www.tanken.com/kakusei.html
覚せい剤(覚醒剤)の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、現物及びその原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受及び使用に関して必要な取締りを行うことを目的とする、日本の法律である(1条)。
覚せい剤の対象は、アンフェタミンとメタンフェタミンのみです。
エフェドリンは1885年(明治18年)に、長井長義が生薬であるマオウから単離抽出したそう。
それを元に1887年(明治20年)、ルーマニアの化学者ラザル・エデレアーヌがベルリン大学でアンフェタミンを初めて合成しました。
チラミンよりも中枢移行性が高い(脳にいきやすい)ため 、覚せい剤の指定を受けています。
同じ薬効の薬:
ミラベグロンのまめちしき
頻尿や、尿意が強いときに使用されるβ3受容体刺激薬のミラベグロン。
薬学生、薬剤師の方なら、β1、β2受容体は聞き慣れていると思いますが、β3受容体は珍しいのではないでしょうか。
β3受容体は、排尿筋の弛緩や、脂肪分解に関与している受容体です。
そのβ3受容体を刺激するミラベグロンについて、ご紹介していきます。
β3受容体刺激薬
膀胱平滑筋のβ3受容体を刺激し、膀胱を弛緩さえることで蓄尿機能を亢進する。
・過活動膀胱における尿意切迫感
・頻尿及び切迫性尿失禁
に使用されます。
既存薬と作用機序が異なるヒトβ3 アドレナリン受容体作動薬ミラベグロン (一般名、日本での製品名:ベタニス®、欧米での製品名:ミラベトリック、ベットミガ)を OAB (過活動膀胱)治療剤として世界で初めて開発・商業化に成功させ、OAB 患者さんに新たな治療の選択肢を提供 することで、治療の質の向上、ひいては医療の発展に大きく貢献したことなどが高く評価されたも のです。
アステラス製薬のベタニス(ミラベグロン)は、世界で初めて開発に成功したそうです。
その功績を讃えられ、62 回(平成27年)大河内賞「大河内記念技術賞」受賞を果たした薬剤でもあります。
※大河内賞は、故大河内正敏博士の功績を記念して、財団法人大河内記念会(理事長:吉川弘之氏) が日本の生産工学や生産技術分野の卓越した業績を表彰する伝統と権威ある賞です。
Beta 3 agonist より命名した。
参照:http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/800126_2590014F1021_1_1F
β3受容体刺激薬の名前通りですね。
agonistは、受容体に結合し刺激作用を示す物質を表します。
添付文書:
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/800126_2590014F1021_1_10.pdf
インタビューフォーム:
http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/800126_2590014F1021_1_1Fwww.info.pmda.go.jp
チラミンのまめちしき
チーズに多く含まれているチラミン。
医薬品ではないのですが、薬剤師国家試験に狙われる成分であるため、ご紹介致します。
間接的アドレナリン作動作用
アミントランスポーターを介して神経終末に入り、交感神経節後繊維末端からノルアドレナリンを遊離させる。
結果的にノルアドレナリンの効果が出る。
チラミンは医薬品ではないので特に病気に対して使用することはありません。
短時間内に反復投与すると、チラミンの連続投与に対してノルアドレナリンの生合成が追いつかなくなり、神経終末から遊離できるノルアドレナリン分子が枯渇し作用が減弱する。
薬剤師国家試験でも狙われるチラミンの反復投与によるノルアドレナリンの枯渇。
チラミンはノルアドレナリンを出す作用を増強するため、反復投与により、ノルアドレナリンが枯渇してしまいます。
この現象を、タキフィラキシーと呼ぶので、薬剤師国家試験受験者は抑えておきましょう。
また現実に反復投与はありないため、あくまで実験的な話のようです。
体内で、上の構造のNH2がアルデヒド基に酸化され、分解されます。
※代謝に関与する酵素はMAOB(モノアミンオキシダーゼ)といいます。
そのため、セレギリンなどのMAOB阻害薬を使用すると分解が遅延していきます。
チラミンは交感神経細胞の神経終末からのノルアドレナリンの遊離を促進する。このノルアドレナリンはアドレナリン受容体のα1サブタイプに作用するため、血管収縮作用(収縮作用消失から拡張への反転)があり、血圧を上昇させ、片頭痛発作の誘因となりえる。
チラミンにより、ノルアドレナリンが遊離していくため、頭の血管が収縮し、片頭痛が発生する誘因といわれています。
①チーズ
②レバー
③キムチ
チラミン含有量が多い順番となっています。
参照:http://s.news.mynavi.jp/c_cobs/news/menjoy/2013/01/3-128.html
前述した通り、チラミンは片頭痛の誘因になる可能性があります。
頭が痛いときには、ピザ、焼き肉(レバー、キムチ)の食べ過ぎ、何日も食べるようなことは避けた方がよいです。
他にもワイン、ピーナッツバターやチョコレートなどもチラミンを含むそうです。
いずれにしても食べ過ぎが良くないだけであるので、何事も、適量で食生活を送っていきましょう。
エチレフリンのまめちしき
低血圧に使用されるα,β受容体刺激薬のエチレフレン。
アドレナリン、ノルアドレナリンとは違い、経口で投与が可能となった薬剤となっています。
それでは、エチレフリンのまめちしきをご紹介していきます。
非カテコールアミン類
α,β受容体刺激薬
薬理作用は
・β1受容体刺激による心収縮力増強
・α1受容体刺激による血圧上昇
となっております。
適応は
本態性低血圧、他の病態による低血圧、起立性低血圧
主に低血圧に使用する薬となっています。
商品としては、エチホールがあります。
カテコール骨格の◯に存在する-OHを外したため、体内でCOMT(カテコール-O-メチル基転移酵素)による代謝を受けにくくなり、経口投与が可能となった。
また、それによって作用の持続性も獲得した。
添付文書:
http://www.bij-kusuri.jp/leaflet/attach/pdf/et_t5_pi.pdf
インタビューフォーム:
http://www.bij-kusuri.jp/products/attach/pdf/et_t5_if.pdf
同じ薬効の薬:
イソクスプリンのまめちしき
特殊な適応を持つ、β1β2受容体刺激薬のイソクスプリン。
同じ薬効のイソプレナリンとは適応が異なるので、比較してみて下さい。
作用は、β1,β2受容体を刺激するのですが、主にβ2受容体を刺激する薬物のようです。
しかし、β2受容体刺激薬の大半を占める「気管支喘息」の適応がメインではありません。
今回は、そんなイソクスプリンの適応を中心に紹介していきます。
アドレナリンβ₁β₂受容体刺激薬
薬理作用として
主にβ2受容体刺激作用による
・血管拡張作用
・子宮弛緩作用 がある。
適応は
・末梢循環障害(ビュルガー病)
・レイノー症候群
・子宮収縮の抑制(切迫流・早産、過強陣痛)
・月経困難症
となっている。
四肢(主として下肢)の末梢動脈の内膜の炎症により動脈の閉塞を来し、血流障害が生じる病気で、閉塞性血栓血管炎とも呼ばれる。
参照https://wikimatome.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E7%97%85
動脈の血流障害の病気を、ビュルガー病とよびます。
頭部外傷を受けた後、3週間以上を経過した慢性期に入ってから発症、もしくは3週間以上経っても残る症候を頭部外傷後遺症(英:posttraumatic cerebral symptom、独:posttraumatisches Hirnsymptom)という。
疾患名の通り、頭部外傷後の3週間以上に渡り症状が出ることのようです。
症状は様々であるので、症状によりイソクスプリンを使用するようです。
添付文書 :
https://www.medicallibrary-dsc.info/di/duvadilan_intramuscular_injection_5mg/pdf/pi_duv4_0909.pdf
インタビューフォーム:
https://www.medicallibrary-dsc.info/di/duvadilan_tablets_10mg/pdf/if_duv_tab_1111_07.pdf
おくすり110:
同じ薬効の薬:
イソプレナリンのまめちしき
喘息や、ひどい徐脈のときに使用されるイソプレナリン。
薬効はシンプルで、β1受容体刺激の心機能の増加、β2受容体刺激の気管支拡張作用の目的で使用されます。
同じ薬理作用でも「イソクスプリン」とは適応が変わるので、比較してみて下さい。
それでは、イソプレナリンの豆知識を紹介致します。
β1,β2受容体刺激作用。
・β2受容体刺激作用による
気管支拡張作用 血管拡張作用
・β1受容体刺激作用による
心機能亢進作用(心筋収縮力増強・心拍数増加・心拍出量増加)
適応として
・各種の高度の徐脈
・内耳障害に基づくめまい
l体はdl体より作用が90倍強いといわれる。
参照 https://wikimatome.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%B3
薬剤は、dl体として使用されています。
l体だと作用が強すぎで、薬として使用できないようです。
プロタノール L 注(Proternol-L)の名称は、有効成分である l-イソプレナリン塩酸塩(別名 l-Isoproterenol Hydrochloride)に由来している。
参照 http://www.kowa-souyaku.co.jp/upload/item/38/1-pi_098.pdf
名前の由来はそのままで覚えやすいですね。
添付文書:
http://www.kowa-souyaku.co.jp/upload/item/37/4-pt_100.pdf
インタビューフォーム:
http://www.kowa-souyaku.co.jp/upload/item/38/1-pi_098.pdf
同じ薬効の薬:
アドレナリンのまめちしき
主にアナフィラキシーのショック時に使用するα,β受容体刺激薬のアドレナリン。
ノルアドレナリンが体内で代謝されると、アドレナリンとなります。(ノルアドレナリンの「ノル」は、「前」という意味があります)
ノルアドレナリンの記事より、α作用、β作用の強さから、ノルアドレナリンよりアドレナリンの方が、適応が広い薬となっています。
それでは、アドレナリンのまめちしきをご紹介していきます。
α,β受容体刺激薬。
カテコールアミン類に分類。
薬理作用としては、刺激する受容体ごとに
α1(α1A、α1B、α1D) - 血管収縮、瞳孔散大、立毛、前立腺収縮などに関与する。
α2(α2A、α2B、α2C) - 血小板凝集、脂肪分解抑制のほか様々な神経系作用に関与する。
β1 - 心臓に主に存在し、心収縮力増大、子宮平滑筋弛緩、脂肪分解活性化に関与する。
β2 - 気管支や血管、また心臓のペースメーカ部位にも存在し、気管支平滑筋の拡張、血管平滑筋の拡張(筋肉と肝臓)、子宮の平滑筋等、各種平滑筋を弛緩させ、および糖代謝の活性化に関与する。
が存在する。
また、適応として
○気管支喘息・百日咳などに伴う気管支痙攣
○急性低血圧・ショック時の補助治療(アナフィラキシーショック時の筋注)
○局所麻酔時の作用延長
○インスリン低血糖時の改善
○心停止の補助治療
などがある。
商品としては、エピスタ、ボスミン、エピペンなどがある。
ニュージャージーの研究所にいた高峰譲吉と助手の上中啓三は1900年にウシの副腎からアドレナリンを発見し、1901年に世界で初めて結晶化に成功した。
参照: https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アドレナリン
昔の日本では、アドレナリンは英名のエピネフリンと呼ばれていたが、
発見者が日本人であることに準じてアドレナリンという名前を用いるようになったらしい。
「まぁ落ち着け」と言われても、落ち着けるまでには約40秒以上かかる。神経系ならば、そのインパルスを出すことを止めればよいが、物質であるホルモンはすぐには分解されない。アドレナリンなどのカテコールアミン類が血中に出てからの寿命は比較的短いが、それでも半減期は約40秒だと言わている。(ちなみに、甲状腺ホルモンの血中での寿命はおよそ1週間とされている。)
ノルアドレナリンと同様に、アドレナリンも怒りの感情に関与している。
アドレナリンの消失半減期は約40秒のため、ヒトを怒らせてしまったら、
まず40秒以上は我慢したほうが良いかもしれない。
アドレナリン反転(あどれなりんはんてん、英:adrenaline reversal)は、α1受容体拮抗薬投与後にアドレナリンを静脈内注射するとアドレナリンの血圧上昇作用が血圧下降作用に反転する現象。
参照: https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アドレナリン反転
薬剤師国家試験でも問題として出題される「アドレナリンの血圧反転」
血管において、α1受容体は血管収縮、β2受容体は血管拡張に関与する。
アドレナリンを通常投与すると、血管収縮作用(血圧上昇)が発現する。
※血管には、α1受容体の存在が多く、α1受容体刺激作用の血管収縮が強くでる。
通常投与前に、α1受容体遮断薬を投与すると、β2受容体が優位に刺激され、血管拡張(血圧低下)の作用が発現する。
エピペン注射液
添付文書:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00050569.pdf
インタビューフォーム:
http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/671450_2451402G2020_2_1F
同じα,β受容体刺激薬について: