ノルアドレナリンのまめちしき
急性低血圧や、ショック時に使用されるα,β受容体刺激薬のノルアドレナリン。
生命の危機に関わるときに使用するので、あまり使いたい薬ではないですね。
体内にも、ホルモンとしてノルアドレナリンは存在しています。
今回は、アドレナリンの薬剤、ホルモンとしての作用について、まめちしきをご紹介していきます。
α,β受容体刺激作用。
しかしながらβ作用はほとんどなく、α作用(血圧上昇作用)がメインである。
カテコールアミン類に分類。
各種疾患や状態に伴う急性低血圧やショック時の補助治療として使用する。(注射剤)
神経を興奮させる神経伝達物質で、「やる気」や「意欲」を高める反面、「不安」「恐怖」「緊張」といった感情・精神状態とも深い関係があります。別名「怒りのホルモン」とも言われ、また、ストレスに反応することから、ストレスホルモンの一種でもあります。
ノルアドレナリンは「怒りのホルモン」とも呼ばれています。
やる気、意欲にも関与するため、ノルアドレナリンが不足すると「うつ病」とも関連していきます。
α作用の強さでは
ノルアドレナリン>アドレナリン>ドパミン>ドブタミン>イソプロテレノール
β作用では逆になって、
イソプロテレノール>ドブタミン>ドパミン>アドレナリン>ノルアドレナリン
となっています。
α作用は主に血圧上昇作用に関与し、
β作用は血圧低下作用、気管支拡張作用、心機能亢進などが関与します。
つまり、ノルアドレナリンは、血圧上昇作用に優れている薬剤といえますね。
septic shockの患者群(2043人、大人限定)を対象にして行われた6つのランダム化試験のmeta-analysisです。(NEJMにおけるSeptic shockの患者さんは1044人でした)同じようにドパミン投与群とノルアドレナリン投与群を比較して28日後の死亡率に差がないかみたものです。結果はノルアドレナリンの死亡率が48%でドーパミンが53%でした。ノルアドレナリンの相対危険度は0.91で95%信頼区間0.83~0.99、P値0.028で有意差ありとの結果でした。同様にノルエピネフリン群では不整脈のイベントが少なかったようです。
添付文書:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00054875.pdf
インタビューフォーム:
https://www.medicallibrary-dsc.info/di/nor-adrenalin_injection_1mg/pdf/if_nor_1608_08.pdf