ウラピジルのまめちしき
本態性の高血圧や前立腺肥大症に伴った排尿障害に適応されるお薬です。
選択的にアドレナリンα₁受容体遮断薬に分類されます。
主にα1B受容体遮断をして、血圧を下げる薬となっています。
血管のα₁B受容体を遮断して拡張させます。
α₁受容体には、α1A,α1B,α1Dの3種類に分類され、α1Aは前立腺、α1Bは血管、α1Dは前立腺と膀胱に分布しています。
α₂受容体に対する遮断作用は弱いため、頻脈などを起こしにくくなっています。
α₁遮断薬としては世界で初めて神経因性膀胱に伴う排尿障害が適応に追加されました。
脳の病気の影響で起こる排尿障害に、適応を世界で初めて獲得したようです。
インタビューフォーム
file:///C:/Users/owner/Downloads/200022_2149020N1031_1_120_1F.pdf
添付文書
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00054112.pdf
ドキサゾシンのまめちしき
高血圧の際に使われる選択的α1遮断薬であるドキサゾシン。
血管のα1B受容体を遮断して血圧を低下させます。
プラゾシンの後に開発され、α1受容体選択性が高くなっています。
それでは、ドキサゾシンの豆知識を紹介していきます。
薬理作用は
選択的α1遮断薬
血管のα1B受容体を選択的に遮断し、血管を拡張させて血圧を下降させる。
適応は
高血圧症 、褐色細胞腫による高血圧症
商品としてはカルデナリンがあります。
治療中の高血圧症患者に対するα遮断薬ドキサゾシンの就寝前投与によって、尿中アルブミン/クレアチニン比(urinary albumin/creatinine ratio、以下UAR)の有意な減少が認められたことをJournal of Hypertension誌6月号に発表した1)。
尿中のアルブミン量を低下させたとのことです。
心血管系(cardiovascular)に作用することを意味する英語と、アドレナリンを減少させる (deadrenaline)という意味合いを合成して命名したそうです。
添付文書:http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/671450_2149026F1026_2_05
プラゾシンのまめちしき
主に高血圧や前立腺肥大症による排尿障害に使用されるα1受容体遮断薬ブナゾシン。
近頃はPTSD(心的外傷後ストレス障害)による悪夢にも効果があるということも研究されているそうです。
血管のアドレナリンα1B受容体を選択的に遮断することによって、血管を拡張させて、血圧を低下させる。
シナプス前膜のα2受容体への遮断作用は極めて低いので、ノルアドレナリンの遊離には関与しないため頻脈は起こしにくい。
また、プラゾシンは前立腺のα1A,D受容体も遮断し排尿障害を改善する。
一般に血圧を下げる薬として使用されているプラゾシン(prazosin)という薬に脳神経の損傷を防ぎ、PTSDに伴う悪夢を解消するという別の作用があることが報告されています。
PTSDとは心的外傷後ストレス障害のことであり、強い心的ストレスを受けた後に不安や不眠などの精神症状が出ることです。
これらはアメリカのワシントン大学で研究をしている。
ベトナム戦争でPTSDを発症した患者を対象にプラゾシンを投与して経過を観察したところ、症状が改善されたそうです。
一般的な高血圧治療薬として使用されることは少なく、褐色細胞腫などの交感神経作用が過剰になった病態や、前立腺肥大症などで排尿障害を合併した患者で使用される。
臨床的には、高血圧よりも、前立腺肥大症における排尿障害に使用するそうですね。
ミニプレス
添付文書:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00052809.pdf
インタビューフォーム:http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/671450_2149002F1128_2_1F
リトドリンのまめちしき
これまで喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬として紹介してきたアドレナリンβ2受容体刺激薬ですが、
今回はこれまでとは適応が異なり、切迫流産、早産に使用するリトドリンを紹介します。
特に子宮平滑筋のβ2受容体に選択性が高く、子宮の筋肉を弛緩させるため切迫流産、早産に使用します。
剤型は錠剤の他に注射剤があります。
ブログより
自宅安静中は、お腹の張り止めのお薬を
毎日きちんと飲まなくてはいけませんご経験者ならおわかりかと思いますが
そうです
ウテメリンです…。(;°皿°)
釈由美子さんは妊娠時にウテメリン(リトドリン)をお腹の張り止めとして服用されているようです。
子宮の筋肉を弛緩させることでお腹の張りを抑えているのでしょう。
ウテメリン(リトドリン)の他にもお腹の張り止めとしてズシファラン(イソクスプリン塩酸塩)も使用されることもあるようですね。
テルブタリンのまめちしき
喘息の息苦しさなどにに対して、使われるアドレナリンβ2受容体刺激薬のテルブタリンです。
ドーピング対象となってしまう薬でもあります。
同じ第二世代のβ2刺激薬であるサルブタモールと比較しながら見ていきましょう。
第二世代のアドレナリンβ2刺激薬です。
気管支のβ2受容体に作用して、気管支を拡張することで喘息の気管支閉塞による症状の緩解。
シロップ、皮下注、錠剤、顆粒剤があり、吸入薬がありません。
パリ〜ニース期間中に行われたドーピング検査でサイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)の陽性が発覚した。検出されたのは喘息の治療薬テルブタリン。チームはTUE(治療目的使用に係る除外措置)の申請を怠ったためと説明し、チーム医師がすべての責任を負うと発表している。
サイモン・イェーツ選手の例もあるので、しっかりと確認することが大切ですね。
テルブタリン0.25mgの皮下投与(30分おいて1回再投与可能)を,収縮が治まるまで4時間毎に行う;最大0.5mg/4時間。テルブタリンは70〜80%の妊婦において有効であり,本剤投与中の妊婦に対しては頻脈を監視すべきである。経口テルブタリンによる維持は有効ではない。
一方,わが国では,1980年代初頭に切迫早産の治療法としてβ刺激薬であるテルブタリンの「大量」維持療法が紹介され,日本中の産科病棟で長期間のテルブタリン持続療法が花盛りでした。
適応外での使用なので、保険適応は受けません。
添付文書:http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/670227_2252003F1085_1_03
インダカテロールのまめちしき
今回もアドレナリンβ2受容体刺激薬の紹介です。
インダカテロールは慢性閉塞性肺疾患(COPD)のみに適応を持った吸入薬となっています。
では紹介していきます。
アドレナリンβ2受容体を刺激することによる、気管支拡張作用。
インダカテロールは作用が長時間発現するのも特徴のひとつです。
適応に関してはβ2刺激薬には珍しく慢性閉塞性肺疾患(COPD)のみであり、喘息には適応がありません。
2013年9月20日、慢性閉塞性肺疾患治療薬のグリコピロニウム臭化物・インダカテロールマレイン酸塩(商品名ウルティブロ吸入用カプセル)が製造承認を取得した。適応は、「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン薬及び長時間作用性吸入β2刺激薬の併用が必要な場合)」となっている。
参照:http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/201310/532877.html
インダカテロールは、そのプロカテロールの活性部位であるカルボスチリル骨格を有しています。さらに、細胞膜の脂肪鎖と総合作用を持ち、細胞膜のリン脂質に親和性の高いインダン骨格を有しており、これが長時間作用と関係しています。
右側のインダン骨格は、細胞膜のリン脂質と親和性が高く、このことが、長時間の作用の要因となっているそうです。
オンブレス
添付文書:http://product.novartis.co.jp/onb/pi/pi_onb_1503.pdf
インタビューフォーム:http://product.novartis.co.jp/onb/if/if_onb_1503.pdf
ドカルパミンのまめちしき
急性循環不全(心原性ショック、出血性ショック)に用いられる、混合型アドレナリン作動薬のドカルパミン。
ドパミンのプロドラッグであり、経口投与で持続的に血中のドパミン濃度を維持します。
基本的にドパミンのプロドラッグなので、適応は同じですが、ドパミンの点滴静注から経口薬へ切り替える際に使用します。
それでは、ドカルパミンのまめちしきをご紹介します。
ドパミンのカテコール基とアミノ基を保護したことで、消化器や肝臓での初回通過効果が軽減されます。
- 腎血管拡張(D₁受容体作用)
- 心拍出量増加(β遮断作用)
- 血管収縮(α₁優位作用) を示します。
塩酸ドパミン注射液,塩酸ドブタミン注射液等からの離脱が困難な循環不全患者に対して、注射から経口剤への早期離脱によるQOLの向上のために用いられています。
循環器系に作用する経口プロドラッグであり、1984年に日本の田辺製薬株式会社(現 田辺三菱製薬株式会社)により開発されました。
参照:インタビューフォーム
世界で初のプロドラッグのようです。
もちろん田辺さんが開発したプロドラッグであるということが名前の由来となっています。
参照:インタビューフォーム
この疾患の患者は、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)が多量に分泌されているため、循環器症状や代謝亢進症状などの過剰な交感神経刺激症状が見られます。そのため、ドパミンなどのカテコールアミン産生物質は禁忌とされています。
参照:インタビューフォーム
インタビューフォーム
https://medical.mt-pharma.co.jp/di/file/if/tdo_a.pdf
添付文書