ヤクマメ-薬の豆知識サイト-

薬を1つ1つ豆知識を踏まえながら覚えていくサイトです。薬剤師、薬学生の勉強のオトモに。

フェノテロールのまめちしき

f:id:yakumame:20160907001806j:imagef:id:yakumame:20160906233615p:image

 

喘息の発作のときに使用するβ2受容体刺激薬のフェノテロール。

短時間で作用するため、発作時に使える薬となっています。

 

それでは、フェノテロールのまめちしきを紹介していきます。

 

基本的な薬理・適応・主な商品名

 

短時間作用型アドレナリンβ2刺激薬

吸入し、肺に届くとアドレナリンβ2受容体を刺激し、気管支平滑筋を拡張(弛緩)させる。

 

適応としては

喘息

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

がある。

 

商品名としては、ベロテックが使われている。

 

喘息の薬の種類

 

 

喘息の薬、皆さんは苦しくなった時に吸入器でシュッと吸引するイメージがあると思います。

 

ただ、喘息の薬には種類があるのです。

 

・短期間のあいだ効く薬

(短時間作用性吸入β2刺激薬 Short Acting β2 Agonist (SABA)

・長期間のあいだ効く薬

(長期間作用性吸入β2刺激薬 Long Acting β2 Agonist (LABA) 

 

この2種類です。

 

短時間作用のSABAの場合、発作が起きた時にシュッと吸入します。

長時間作用のLABAの場合、発作を未然に防ぐために定期的に吸引します。

  

ニュージーランドでのフェノテロール使用制限について

ニュージーランドでは1990年代前半までフェノテロールが広く使われていたが、本薬が喘息死の第二の流行の要因であるという証拠に応えて、ニュージーランド厚生省は使用を厳しく制限した。その後ニュージーランドでは喘息の悪化が著しく減少したため、喘息死の流行はフェノテロールが原因だったとする主張がある。ただし、同じデータを再分析した結果、喘息悪化の減少はフェノテロールではなく、吸入副腎皮質ステロイド剤の使用の増加と強く関連している、という反論がある。

フェノテロール - Wikipedia

 

海外では、β2受容体刺激薬の使用に関しては制限がある国もあるそうです。

しかし、ニュージーランドでは、この喘息悪化の現象はフェノテロールでなく、副腎皮質ステロイドの影響ではないかという議論もあるようです。 

薬は、人種、食文化なども影響していくので、国により使用方法は異なっていきます。

  

補足資料

インタビューフォーム

 

添付文書