サルブタモールのまめちしき
喘息の息苦しさに対して、使われるアドレナリンβ2受容体刺激薬です。
小児喘息だった人は良く使った薬かもしれませんね。
本剤は、経口薬で、気管支喘息の長期管理に使用します。
β刺激薬はドーピング対象となるものが非常に多いので注意しながら見ていきましょう。本剤はドーピング対象かどうかも紹介していきます。
第二世代のアドレナリンβ2刺激薬です。
気管支のβ2受容体に作用して、気管支を拡張することで喘息の気管支閉塞による症状の緩解。
深呼吸しながら吸入器を用いて吸入します。
そのほか、肺気腫、急・慢性気管支炎、肺 結核の際にも用いられます。
ベータ 2 作用薬 すべてのベータ 2 作用薬は、関連するすべての光学異性体(例えば、d 体および l 体)を含めて禁止される。
参照:
http://www.playtruejapan.org/downloads/prohabited_list/2016_ProhibitedList_JP_revised20160108.pdf
サルブタモールはドーピングとはならないので、他の使用可能なβ2刺激薬を含め、しっかりと用法・用量を守って使うことが大切ですね。
補足資料
添付文書:
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/340278_2254700G2034_1_05.pdf
IF:
フェノテロールのまめちしき
喘息の発作のときに使用するβ2受容体刺激薬のフェノテロール。
短時間で作用するため、発作時に使える薬となっています。
それでは、フェノテロールのまめちしきを紹介していきます。
短時間作用型アドレナリンβ2刺激薬
吸入し、肺に届くとアドレナリンβ2受容体を刺激し、気管支平滑筋を拡張(弛緩)させる。
適応としては
・喘息
がある。
商品名としては、ベロテックが使われている。
喘息の薬、皆さんは苦しくなった時に吸入器でシュッと吸引するイメージがあると思います。
ただ、喘息の薬には種類があるのです。
・短期間のあいだ効く薬
(短時間作用性吸入β2刺激薬 Short Acting β2 Agonist (SABA))
・長期間のあいだ効く薬
(長期間作用性吸入β2刺激薬 Long Acting β2 Agonist (LABA))
この2種類です。
短時間作用のSABAの場合、発作が起きた時にシュッと吸入します。
長時間作用のLABAの場合、発作を未然に防ぐために定期的に吸引します。
ニュージーランドでは1990年代前半までフェノテロールが広く使われていたが、本薬が喘息死の第二の流行の要因であるという証拠に応えて、ニュージーランド厚生省は使用を厳しく制限した。その後ニュージーランドでは喘息の悪化が著しく減少したため、喘息死の流行はフェノテロールが原因だったとする主張がある。ただし、同じデータを再分析した結果、喘息悪化の減少はフェノテロールではなく、吸入副腎皮質ステロイド剤の使用の増加と強く関連している、という反論がある。
海外では、β2受容体刺激薬の使用に関しては制限がある国もあるそうです。
しかし、ニュージーランドでは、この喘息悪化の現象はフェノテロールでなく、副腎皮質ステロイドの影響ではないかという議論もあるようです。
薬は、人種、食文化なども影響していくので、国により使用方法は異なっていきます。
インタビューフォーム
添付文書
エフェドリンのまめちしき
主に気管支喘息に使用される混合型アドレナリン作動薬のエフェドリン。
風邪薬や漢方薬にも含まれています。
そんなエフェドリンについてどのような特徴があるのでしょうか。
今から紹介していきます。
混合型アドレナリン作動薬
直接α,β受容体を刺激する作用と、神経終末からアドレナリンを遊離する作用を示します。
①α、β両作用を示す。
α作用(血管収縮など):NAdの遊離を介する関接作用。
β2作用(気管支拡張など):β2受容体に対する直接作用。
③COMTやMAOで分解されないため経口投与可能である。
適応症は気管支喘息、低血圧など。
漢方薬や風邪薬でスポーツ選手がドーピング反応で陽性になるというお話を聞いたことはありませんか?それは生薬“麻黄”の成分、“エフェドリン”の影響です。
参照:
薬によっては意図せずにドーピング検査陽性になってしまうものもあります。
気になる方はスポーツファーマシストに相談してみてください。
長井はマオウから一つのアルカロイドを単離し、エフェドリン(Ephedrine)と命名した。長井は「エフェドリンの発見」で天然物化学史に名を残すとにはなった。
エフェドリンは日本人の長井長義氏が世界で初めて発見された成分です。
さらに、エフェドリンからメタンフェタミンを合成したのも長井長義氏であり、日本の誇る優秀な研究者の1人となっています。
添付文書:
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00049109.pdf
インタビューフォーム:
http://www.nichiiko.co.jp/data2/55170/04_interview/ephedrinNAG_i40-if02(2).pdf
クレンブテロールのまめちしき
喘息に使われるβ2受容体刺激薬のクレンブテロール。
実は筋肉増量剤としてボディビルダーの業界の中では有名な薬のようです。
今回はそんなクレンブテロールについて豆知識を紹介していきます。
アドレナリンβ2受容体刺激薬。
気管支拡張作用があります。
他のβ2刺激薬に比べて長時間にわたって効果を発揮するため、長期管理薬(コントローラー)として使われます。
また、排尿筋弛緩作用もあるため腹圧尿失禁にも使われます。
商品名としては、スピロペントがあります。
適応としては
・腹圧尿失禁
があります。
クレンブテロールは主にボディビルダー達の間では知られる存在です。 クレンブテロールは「筋肉を残しながら体脂肪を減らしたい」「筋肉肥大と脂肪減少を両立」などの目的で利用するのだとか。
日本では処方箋医薬品ですし、ドーピングの対象薬であるので注意が必要ですね。
海外の例では、豚肉の肉質を変えるためにクレンブテロールを使うことがあります。参照:http://clenbuterol.xyz
中国では、豚にクレンブテロールを飲用させ、筋肉増強作用を利用し、豚の赤身を増やしていたそうです。
これによって中国では豚肉のクレンブテロール汚染事件に発展し、警察に捕まったケースも。
スピロペント
添付文書:http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00057667.pdf
インタビューフォーム:http://medical.teijin-pharma.co.jp/iyaku/product/skhk4v0000000qzj-att/skhk4v0000000qzu.pdf
メタンフェタミンのまめちしき
覚せい剤の指定を受けている、間接型アドレナリン作動薬のメタンフェタミン。
日本では、覚せい剤取締法により規制されているため医療用としての使用はできません。アンフェタミンも同様です。
昔は、ヒロポンと呼ばれ、普通に市場に出回っていたそうです。
それでは、メタンフェタミンのまめちしきを紹介いたします。
間接型アドレナリン作動薬。
神経終末に働き、ノルアドレナリンの遊離を促進させ、交感神経を興奮させる。
チラミン、メタンフェタミンと同様の作用。
日本では、アンフェタミンと共に覚せい剤取締法により規制されているため医療用としての使用はできません。
しかしながら、アメリカなどの一部の国ではADHDやナルコレプシーの治療薬として利用されるそうです。
かつては普通の薬局で買えるような一般的な薬だったようです。
戦争を題材にした有名な漫画、「はだしのゲン」でも登場していました。はだしのゲンの時代ではすでに規制されていたようですがね。
参照:http://www.tanken.com/kakusei.html
「メタンフェタミン」は、なんと日本において1893年(明治26年)に『長井長義』により「エフェドリン」から合成されました。
ちなみに、原料のエフェドリンを結晶化させたのも長井長義さんです。
覚せい剤(覚醒剤)の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、現物及びその原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受及び使用に関して必要な取締りを行うことを目的とする、日本の法律である(1条)。
同じ薬効の薬:
薬のまめちしきの概要
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トリメトキノールのまめちしき
喘息を代表とした気管支障害に使用する、β2受容体刺激薬のトリメトキノール。
β2受容体刺激薬の中でも、歴史の長い薬となっています。
東京オリンピックも開催されるということで、抑えといて欲しいのが
ドーピングの対象となる薬剤ということです。
それでは、トリメトキノールのまめちしきをご紹介いたします。
β2受容体刺激薬
作用時間が短く、受容体選択性が弱いのが特徴。
適応として
気管支喘息, 慢性気管支炎, 塵肺症の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
がある。
具体的な禁止物質としては、エフェドリン、メチルエフェドリン、プソイドエフェドリン、麻黄、メトキシフェナミン、トリメトキノールなどがあげられます。これらは、下記の表にリストを掲載していますが市販のかぜ薬やせき止め、鼻炎用内服薬の中には禁止物質を含んでいるものが非常に多く、注意が必要です。
参照:
東京オリンピックが開催されるので、スポーツ選手への指導には要注意ですね。
「新トニン咳止め液」に入っています。
参照
添付文書:
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00053661.pdf
インタビューフォーム:
トリメトキノール インタビューフォーム - Google 検索